頭頸部癌
Online ISSN : 1881-8382
Print ISSN : 1349-5747
ISSN-L : 1349-5747
上顎(鼻・副鼻腔)
鼻副鼻腔悪性腫瘍に対する頭蓋底手術
前田 明輝梅野 博仁千年 俊一三橋 拓之佐藤 公則中島 格力丸 英明渡部 功一古賀 憲幸清川 兼輔鈴木 弦田中 法端早渕 尚文
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 37 巻 4 号 p. 524-528

詳細
抄録

当院頭蓋底外科チームで行った鼻副鼻腔悪性腫瘍に対する頭蓋底手術29例の臨床的検討を行った。原発部位は篩骨洞12例,鼻腔8例,上顎洞6例,前頭洞3例で,組織型は扁平上皮癌が19例,嗅神経芽細胞腫が4例,横紋筋肉腫が2例,腺癌・腺様嚢胞癌・未分化癌・軟骨肉腫が1例ずつであった。検討項目は当院の治療方法,予後,術後合併症,硬膜浸潤の有無とした。全体の死因特異的5年生存率は59%であった。転帰は生存17例,原発巣死8例,合併症死2例,他因死2例であった。術後合併症は6例(21%)に認めた。硬膜浸潤は13例(45%)に認め,硬膜内浸潤は2例(6%)に認めた。頭蓋底手術により頭蓋底悪性腫瘍の予後は改善し,チーム医療により安全性も向上した。

著者関連情報
© 2011 日本頭頸部癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top