2008年度日本医真菌学会賞を受賞した機会に研究を回顧した.黒色真菌に関する研究が多いのは偶然である.高度の微生物学的(菌学的)水準が重要な目標であった.その成果を学会で報告し,論文を発表した.投稿誌は研究中ないし執筆前から選択した.この姿勢は若き日の国立衛生試験所と米国CDC(Centers for Disease Control and Prevention)での経験で築かれた.論文が評価されると国際会議のシンポジウム,講演に招かれ自然に研究者のnetworkが構成された.他の臨床科,施設からの依頼に応じ時に期待以上の成果を挙げた.また講演と総説や成書の執筆依頼が次第に増加し,他の研究者の報告を含めて発表した.特に海外(および国内での国際会議)での講演は英語能力を鍛える機会として参加した.在籍したそれぞれの施設で優れた上司,先輩,同僚,後輩に恵まれた.