2008 年 74 巻 4 号 p. 297-303
極早生温州ミカンの緑かび病に対して,イミノクタジン酢酸塩液剤およびベンゾイミダゾール系薬剤の効果は不安定であるが,両剤を混用することによって,それぞれの薬剤の相乗効果が発現し,実用上十分な防除効果が得られた.イミノクタジン酢酸塩液剤に混用するベンゾイミダゾール系薬剤としては,ベノミル水和剤がチオファネートメチル水和剤よりも優れていた.イミノクタジン酢酸塩液剤とベノミル水和剤との混用散布時期の違いによる防除効果の差は,収穫3週間前から1週間前までの間はみられず,この間に150 mm程度の累積降雨量があっても防除効果が低下することはなかった.