1994 年 7 巻 1 号 p. 60-64
症例は精神発達遅滞を合併した15歳男児で,7歳時学校検尿で血尿・蛋白尿・軽度高窒素血症を指摘され,以後腎不全が進行した。DIP・腎シンチにて左small kidneyを呈するが,左右共腎瘢痕所見は軽度であった。膀胱造影では右VURI度 (国際分類),膀胱鏡では両側尿管開口部の馬蹄型変形を認めた。右開放腎生検ではFGS病変と共に著明な糸球体肥大と糸球体populationの低下を認めた。本症例はVURのみで腎不全を説明するにはDIP・腎シンチにおける腎瘢痕所見に乏しく, Oligomeganephronia様の腎低形成を合併していると考えられた。