日本農村医学会雑誌
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症例報告
ガバペンチンからプレガバリンへのスイッチにより良好な疼痛コントロールが得られた肺癌患者の1例
柴原 弘明今井 絵理植松 夏子木下 早苗眞野 香山本 絢子青山 昌広西村 大作
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2011 年 60 巻 2 号 p. 104-108

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抄録

 症例は80歳台女性。肺癌の骨転移による疼痛に対し緩和ケアチームに依頼があった。オピオイド,ロキソプロフェンナトリウムに加えて,鎮痛補助薬としてガバペンチン,イフェンプロジル酒石酸塩投与の追加,さらにオピオイドの増量・変更を行なったが,疼痛の著明な改善はなかった。そこで,ガバペンチンをプレガバリンへスイッチしたところ,疼痛の著明な改善がみられた。プレガバリン内服以前は,疼痛が強いときには臥床していることが多かったが,プレガバリン内服以降は疼痛の改善が得られたため,元気に車いすを押して歩行する姿がみられ,日常生活の活動は改善し,笑顔が多くみられるようになった。ガバペンチンからプレガバリンへのスイッチは,癌性疼痛に対する鎮痛補助薬を考慮するにあたり有効な選択肢のひとつである。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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