日本農村医学会雑誌
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症例報告
緩和ケアチームによる疼痛管理を積極的に行ない, 症状緩和が得られた化学療法患者の2例
柴原 弘明植松 夏子木下 早苗眞野 香青山 昌広小林 聡高木 健司西村 大作
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2011 年 60 巻 1 号 p. 31-36

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抄録

 症例1は直腸癌術後再発による神経障害性疼痛に対し緩和ケアチーム (palliative care team: 以下PCT) が介入した。オキシコドン徐放製剤の増量,鎮痛補助薬の変更,ベタメタゾン投与を行なった。またオキシコドン徐放製剤を1日2回投与から3回投与とし症状緩和が得られた。経過中cetuximab療法を2回施行した。症例2は乳癌術後再発による上肢痛と呼吸困難に対しPCTが介入した。モルヒネ硫酸塩水和物製剤と鎮痛補助薬を追加投与した。フェンタニル経皮吸収型製剤の貼付3日目に疼痛増強があったため3日毎交換から2日毎交換とした。経過中FEC100療法を2回施行した。この2症例ではPCTが積極的に介入し,速やかな症状緩和が得られたため,化学療法を問題なく施行することができた。PCTが積極的に介入するためには主治医の信頼を得ることが最も大切である。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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