The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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原著
身体障害者更生相談所において補装具処方を受けた者のADL分析
正岡 悟山中 緑
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2009 年 46 巻 8 号 p. 510-518

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抄録

当センターにおいて過去1年間に行われた7種目の補装具直接判定について,申請者393 人の機能的自立度評価法(FIM)を用いた日常生活活動(ADL)評価値と処方内容との関連を調べ,更生相談所において補装具処方を受けた者のADL分析を行った.因子間の解析により,補装具処方の際のいくつかのADLパターンが明らかとなった.義手と義足ではADL全般が良好であった.重度障害者用意思伝達装置では表出を除く認知評点のみが良好であるという固有のパターンを示した.下肢装具では運動面と認知面のADL組合せによるいくつかのパターンを示した.座位保持装置・車いす・電動車いすでは3 つが重複した群分けがなされ,移動手段として積極的に使用される群,身辺動作や認知評点が低い中での使用,ほかのパターンが見られた.ADLから見たいくつかの処方根拠が明らかとなり,補装具適応を判断する際の1 つの目安になるものと考えられた.

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© 2009 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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