2007 年 68 巻 10 号 p. 2571-2574
症例は53歳の女性. 下腹部痛, 腹部膨満を主訴に当院受診. CT, MRIにて骨盤腔内に13cm大の充実性の不整形な腫瘤を認め, 平成18年2月に手術を施行した. 主腫瘍はS状結腸部の壁外に発育し, 回盲部にも腫瘍を認め, 大網にも小結節が散在していた. S状結腸と回盲部, 大網を切除し肉眼上の残存腫瘍はなかった. 病理組織は骨形成を認める紡錐形の腫瘍細胞からなる骨外性骨肉腫とその腹腔内転移と診断された. また, 術中の腹水細胞診では非上皮性の悪性細胞が認められた. 術後骨肉腫に準じての化学療法を行ったが, 腹腔内再発をきたし術後13カ月後に永眠された. 消化管原発の骨外性骨肉腫はきわめて稀な腫瘍であり, 文献的考察を加えて報告する.