日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下に摘出した副腎骨髄脂肪腫の1例
貝沼 圭吾久納 孝夫住田 啓吉田 克嗣小出 紀正鳥本 雄二
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2008 年 69 巻 5 号 p. 1222-1226

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抄録

症例は65歳,女性.糖尿病治療経過中の腹部超音波検査で右副腎に腫瘤を指摘された.血液生化学,内分泌学的検査に異常は認められなかった.腹部超音波検査で右腎上極に境界明瞭,内部均一で高輝度の腫瘤を認めた.CTで大きさ6cm大の境界明瞭な低吸収性腫瘤を認めた.MRIでは脂肪とほぼ同等の信号を有する腫瘤であった.画像診断で右副腎骨髄脂肪腫と診断し,腹腔鏡下右副腎摘出術を施行した.腫瘍は大きさ6×5×3.5cmで表面平滑で,組織学的に副腎骨髄脂肪腫と診断された.術後経過良好で,術後5日目に退院した.副腎骨髄脂肪腫は偶発的に発見されることが多い非機能性良性腫瘍であり,自然破裂例もある.本症例では腹腔鏡下切除が有用であると考えられた.

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© 2008 日本臨床外科学会
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