日本臨床外科学会雑誌
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症例
免疫組織染色で診断した男子非浸潤性乳管癌の1例
武藤 潤敷島 裕之京極 典憲中久保 善敬宮坂 祐司金子 敏文
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2008 年 69 巻 7 号 p. 1606-1610

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抄録

症例は60歳,男性.2003年頃より左胸のしこりを認めた.次第に増大するため2007年3月当科受診.受診時の身体所見では左E領域を中心に径4cm大,境界明瞭平滑,ほぼ球形の腫瘤を触れた.腋窩リンパ節は触知しなかった.穿刺細胞診ではCLASSIII,乳頭状病変:Intraductal papilloma疑いの診断であった.2007年4月左乳房切除術施行.病理組織診にて,CK5/6,p63,CD10,CK14,SMAは増殖細胞に陰性,SYN,CGA,CD56は陰性,ERびまん性陽性,S-100Pは極少数散在性に陽性核を認めた.34βE12は腫瘍細胞内にモザイク状陽性.MIB1染色では増殖活性は強めであった.以上よりNoninvasive ductal carcinoma of male breastと診断した.男子乳癌は少なくその中でも非浸潤癌は稀であり,若干の文献的考察をふまえ報告する.

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© 2008 日本臨床外科学会
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