2008 年 69 巻 9 号 p. 2301-2304
患者はRecklinghausen病のある68歳女性で,腹痛・食欲不振のため入院した.腹部単純X線像では小腸が著明に拡張しイレウスの所見であり,腹部CT検査では遠位小腸が著明に腫脹し同部位が閉塞機転と考えられた.減圧したが腸管穿孔したため,緊急手術を施行した.遠位小腸は著明に肥厚し,周囲臓器に癒着しながら一塊となっており,回盲部切除術を施行した.病理組織検査では高分化~中分化腺癌が多発しており,粘膜固有層から漿膜下層にかけて神経線維腫がみられた.Recklinghausen病に小腸癌が発生するという報告は少なく,文献的考察を加え報告する.