日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前診断したileosigmoid knotの1例
古川 大輔堂脇 昌一岡本 祐一今泉 俊秀幕内 博康
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2008 年 69 巻 4 号 p. 863-866

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抄録

Ileosigmoid knotはS状結腸と小腸の間で結節を形成し腸閉塞を起こす疾患で,術前診断は困難とされている1).今回術前診断しえたileosigmoid knotの1例を経験したので報告する.症例は59歳,男性.腹痛を主訴に当院を受診した.来院時腹部は膨隆し腹部全体に圧痛を認めたが,腹膜刺激症状は認めなかった.腹部CT検査では,左側腹部を中心に拡張した小腸と右側腹部に軸捻転様に拡張したS状結腸を認め,腹水も中等量存在した.小腸とS状結腸がともに関与した絞扼性イレウスであることからileosigmoid knotと診断し,緊急手術を施行した.手術所見ではS状結腸に小腸が絡みつくように結節を形成し,小腸は広範囲にわたり壊死していた.約3mの小腸とともにS状結腸を切除した.腹部CT検査で腸間膜の収束像を中心として,右側に軸捻転様に拡張したS状結腸,左側に拡張した小腸が位置し,さらに腹部単純X線像での遠位下行結腸の正中への偏位は本疾患の重要な所見と考えられた.

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© 2008 日本臨床外科学会
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