成人鼠径ヘルニアに対するmesh plug法の再発についてretrospectiveに検討した.対象は2000年1月から2006年8月の間にmesh plug法で修復が行われ追跡調査可能であった成人鼠径ヘルニア346例(外鼠径ヘルニア272病変,内鼠径ヘルニア115病変)で,年齢21-87(中央値,65)歳,男女比315:31であった.再発4例5病変(1.3%)は全例男性で,年齢61-77(中央値,69)歳,再発までの期間は10-78(中央値,17)カ月で,外鼠径ヘルニア2病変(0.7%),内鼠径ヘルニア3病変(2.6%)であった.再手術の所見としてonlay patchの移動や変形が3病変,plugの逸脱が1病変,onlay patchの移動およびplugの逸脱が1病変に認められた.再手術ではLichtenstein法を2病変にmesh plug法を3病変に施行した.われわれが行ったmesh plug法の再発率は許容範囲であるが,plugとonlay patchの確実な固定が再発率をさらに低下させ得ると思われた.