日本臨床外科学会雑誌
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症例
肺癌の胃転移の1例
平光 高久永田 二郎大屋 久晴大西 英二間瀬 隆弘橋本 昌司
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キーワード: 転移性胃癌, TTF-1, 肺腺癌
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2009 年 70 巻 8 号 p. 2324-2329

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抄録

肺癌の胃転移の1例を経験したので報告する.症例は60歳,男性.胸部X線検査で異常陰影を指摘され,2001年2月,当院紹介となった.胸部CT,気管支鏡検査にて,右肺上葉腺癌と診断した.2001年3月に右肺上葉切除術を施行した.術後9カ月目にCEAの上昇を認め,CT,MRIで多発脳転移を認め,ガンマナイフを行った.その後,CEA値は正常化したが,2003年7月より再び急上昇を示した.positron emission tomography(以下PET),腹部CT,USにて,胆嚢,胃,横行結腸に接する充実性腫瘤を認めた.胆嚢転移の診断で手術を行った.胃前庭部大彎に腫瘤を認め,一部胆嚢への浸潤が疑われ,幽門側胃切除術,胆嚢合併切除を施行した.病理組織検査で,胃壁内に病変を認め,TTF-1免疫染色陽性であり,肺癌の胃転移と診断した.術後約4年4カ月経過するが再発転移を認めていない.

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© 2009 日本臨床外科学会
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