日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳腺血管肉腫の1例
坂本 正明戸崎 光宏佐川 倫子河野 奈央子福間 英祐星 和栄
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2009 年 70 巻 9 号 p. 2633-2636

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抄録

乳腺血管肉腫は非常に稀な疾患であるため,MRIに関する報告は少なく,また拡散強調画像やプロトンMR spectroscopy(MRS)についての報告例はない.今回われわれは,43歳女性の左乳房の8cm大の乳腺血管肉腫症例に対し,マンモグラフィ・超音波および高分解能ダイナミックMRI・拡散強調画像・MRSの画像が得られた1例を経験したので報告する.
MRIでは血流の豊富な内部不均一な腫瘤であった.拡散強調画像ではb値の上昇に伴い著明な信号減衰を示し,ADC値も高値(1.54×10-3mm2/s)を示した.細胞密度が低い腫瘍であることを反映し,病理学的にも一致していた.また,MRSではコリンに相当するピークは検出されず,浸潤性乳管癌を否定する所見であった.乳腺血管肉腫は,MRIに拡散強調画像とMRSを追加することで総合的に診断可能であると考えられた.

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© 2009 日本臨床外科学会
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