2002 年 45 巻 5 号 p. 336-347
商業出版社主導の学術出版にあって,その価格高騰,図書館予算の削減といった諸般の状況により,大学,図書館,研究者間で学術コミュニケーションの危機が叫ばれている。解決策として,既存の雑誌に代わる低コストの一流雑誌を創出させ,新しい出版モデルを生み出すイニシアチブがいくつか見られる。そのうちの1つであるSPARCに関し,その創設,SPARCのメンバーシップと業績,パートナーシップ,SPARCの下で創出される雑誌の名声,学術誌の価格設定に及ぼすSPARCのインパクト,SPARCの学術誌創出における提唱活動,オープンアクセスのための技術的問題,SPARCの将来の優先事項などを解説する。