2004 年 46 巻 12 号 p. 828-834
2000年から2001年にかけて,一流学術雑誌に掲載され続けたエレクトロニクス材料・素子分野における革新的な内容を持つ一連の20余編に及ぶ論文が,度重なる不正行為に基づくものであったとする調査結果に基づいて,2003年5月までにそのほとんどが撤回され、また、その不正行為に関係すると見られる論文に対して要注意を告知するなどの措置が取られた。対象となった論文の刊行状況ならびに撤回の経緯について述べ,不正行為に基づく論文が掲載し続けられた背景について考察する。