2009 年 65 巻 4 号 p. 879-897
東京都の低地に位置する杭基礎形式の既設橋梁の耐震性を精度良く評価するためには動的相互作用の影響を考慮する必要がある.この影響を考慮した簡易な動的解析モデルとしてSRモデルがあることから,筆者らは地表と橋脚の強震記録を利用したSRモデルの集約バネ定数と減衰係数の同定手法の開発を進めてきた.本論は地盤と橋脚の固有周期の関係に着目し,動的遠心載荷実験を用いてSRモデルによる同定解析手法の妥当性を検証し,集約バネ定数と減衰係数の設定法を提案した.また,同方法で設定した集約バネ定数と減衰係数を用いたSRモデルによる動的解析がレベル2地震動で適用可能か検討した.その結果,SRモデルによる簡易動的解析は2次元FEM解析での橋脚の応答を概ね再現できることがわかった.