土木学会論文集C
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和文論文
造粒石炭灰の液状化抵抗性
吉本 憲正兵動 正幸中田 幸男村田 秀一本郷 孝大中 昭
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2006 年 62 巻 1 号 p. 246-257

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抄録

 造粒石炭灰のさらなる利用用途の拡大を目指し,その一つである埋立材としての利用を想定し,その際に懸念される液状化に着目した.造粒石炭灰に対して非排水繰返し三軸試験を行い,その結果を自然砂の結果と比較することにより,繰返しせん断特性を明らかにすることを目的とした.その結果,造粒石炭灰の繰返しせん断強度曲線は,拘束圧の影響を受け,曲線が緩やかになるものの,自然砂の繰返しせん断強度曲線の上方に位置することがわかった.また,造粒石炭灰は顕著な粒子破砕を示すことが認められた.そして,圧密時に起こる粒子破砕は構造の安定化に寄与するため,高い繰返しせん断強度を発揮し,せん断時の粒子破砕は,軸ひずみの発生に寄与するため,繰返しせん断強度を低下させることが推察された.

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© 2006 社団法人 土木学会
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