2009 年 65 巻 1 号 p. 622-628
近年,既設構造物直下の有効な液状化対策として,曲がり削孔を併用した溶液型薬液注入工法が注目されている.これにより従来,河川堤防で行われてきた法尻地盤の固化あるいは締固め,矢板打設などの液状化対策に代わり,堤体直下地盤を直接改良する効果的な対策が可能になる.そこで,筆者らは,盛土直下を直接改良した液状化対策効果を確認するため,1G場の模型振動実験を実施し,2つの動的な有効応力解析コードから盛土挙動の再現を試みた.実験の結果,顕著な残留変形の抑制効果が確認できたほか,無対策ケースを有効応力解析で概ね再現できる一方で,改良層のパラメータ設定に課題があることを示した.