2007 年 30 巻 3 号 p. 151-155
膠原病・自己免疫疾患では多くの核酸関連自己抗体が見出されており,病態解明の手掛かりとして重要である.自然免疫における受容体分子であるToll-like receptor (TLR)には核酸を認識するものがあり,核酸関連自己抗原中の核酸はTLRを刺激することにより,アジュバントとして抗原提示細胞を活性化させている可能性がある.RNA免疫沈降法によりtransfer RNA (tRNA)結合蛋白として見出されたWa抗原はNEFA/Nucleobindin-2として報告されている分子と一致しており,その機能は未だ明らかではないが,Ca代謝を介して分泌に関わっていると考えられ,tRNA結合能を示すことから蛋白翻訳系にも影響を持つ可能性がある.