2007 年 30 巻 3 号 p. 198-201
症例は14歳女児.頭痛・発熱・全身倦怠感・体重減少などが出現し,炎症反応高値を認めたため前医入院.3D-CTアンギオグラフィを施行し,大動脈の主要分枝に狭窄,拡張病変を認めたため,大動脈炎症候群を疑い当院転院となった.入院時両側頚部に低調な血管雑音聴取し,上肢血圧左右差を伴い,左橈骨動脈拍動は著しく減弱していた.検査所見では炎症反応高値,血管内皮障害を認めた.18F-FDG-PETにて両側総頚動脈,両側鎖骨下動脈根部,大動脈弓部に異常集積を認めたため大動脈炎症候群と診断した.メチルプレドニゾロンパルス療法2クール,シクロホスファミドパルス療法の導入により炎症反応は陰性化し血管内皮障害も改善した.また頚部血管雑音は減弱,左橈骨動脈の拍動は若干触知するようになった.今回大動脈炎症候群の早期診断と活動性の評価に18F-FDG-PETが有用であった1女児例を経験したので,文献的考察とともに報告する.