日本臨床免疫学会会誌
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総説
若年発症サルコイドーシス/Blau症候群
神戸 直智佐藤 貴史中野 倫代中村 悠美松江 弘之
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2011 年 34 巻 5 号 p. 378-381

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抄録

  家族歴のあるブラウ症候群と弧発例の若年発症サルコイドーシスは,ともにNOD2の恒常活性変異体を基盤として肉芽種を来す疾患である.本邦で同定されたNOD2変異は,R334Wが最多である一方,R334Q変異が少なく,1例報告である変異が多数存在するのが特徴である.また,世界で初めて6塩基欠失症例が発見された.本症は経過とともに足関節背面や手背などに無痛性の柔らかい腫脹が出現し,特徴的な所見として診断価値が高い.この嚢腫状腫脹と経過とともに顕在化する可動性を残した指趾中節関節の屈曲拘縮は,若年性特発性関節炎との鑑別からも有用である.このようにブラウ症候群/若年発症サルコイドーシスの臨床像は特徴的であるため,医療関係者等の関心を高めることができれば,現時点では病態に基づいた特異的な加療法は存在しないものの,生活に支障を来す重度障害の予防は可能であると思われる.

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© 2011 日本臨床免疫学会
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