2008 年 17 巻 1 号 p. 45-48
片側の破裂で発見された両側性大腿深動脈瘤の症例を経験したので報告する.症例は76歳男性,左大腿部痛および腫脹が出現し当科受診,CTにて両側大腿深動脈瘤を認め(左側 6cm,右側 3cm),左側の瘤は破裂していた.5 カ月前に施行したCTにて両側大腿深動脈瘤(いずれも瘤径 3cm)を認めた.左側の瘤に対して緊急手術を施行,瘤遠位側の動脈の露出が困難で,瘤を内腔より連続縫合にて閉鎖した.術後左下肢の浮腫が出現,ハドマーにて軽快した.初回手術より20日目に右側瘤に対して待機的手術を施行,6mm ePTFEを用いて血行再建を行った.術後経過は順調で下肢の浮腫を認めることなく,2 回目の手術後13日目に退院となった.