2004 年 30 巻 2 号 p. 154-158
酵素固定化マイクロリアクターを開発するために, マイクロチャネル表面の簡便な修飾技術を開発した. 実験にはマイクロリアクターのモデルとして, 内径320μmの未処理シリカキャピラリーチューブを用いた. ゾルゲル法を用いてマイクロチャネル内壁を表面処理した. その結果, マイクロチャネル表面に多孔質構造を構築させることができた. この多孔質構造を有するマイクロキャピラリーにリパーゼを固定化し, 基質の加水分解反応を行った. その結果, 滞留時間30秒以内で反応が完結し, バルクの系と比較して反応の効率化が見られた. また, チャネルの内径が反応に与える影響を検討した. その結果, チャネル径が大きくなるに従って, 反応効率が低下した. このことから, マイクロチャネルの内径は反応挙動に大きく寄与することが示唆された.