化学反応・ガス吸収・熱輸送を伴った気泡塔内気泡流解析手法を構築するため,著者らが開発した圧縮性混相流用(N+2)-field modelに基づく数値解法を多成分系に修正し,密度の化学種依存性を考慮できるように拡張した.本数値解法はエネルギー・化学種保存式は質量・運動量保存式と分離して解けるため,非圧縮流れ解法の枠内で構成でき,計算時間の膨大な増加を回避できる.
提案した計算手法を検証するため,反応系気泡塔内気泡流の一例としてNaOH水溶液中へのCO2ガス吸収操作を計算した.本手法を用いて反応によるpHの低下傾向,ガス吸収速度低下によるボイド率の増加傾向,反応熱による自然対流効果を調べた結果,実験に近い傾向を得た.