日本東洋医学雑誌
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臨床報告
通脈四逆湯の附子を烏頭に変更し奏効した2例
村井 政史矢野 博美大竹 実岩永 淳犬塚 央貝沼 茂三郎田原 英一三潴 忠道
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キーワード: 通脈四逆湯, 附子, 烏頭,
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2010 年 61 巻 7 号 p. 906-911

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抄録

通脈四逆湯の附子を烏頭に変更し奏効した2例を報告した。1例目は33歳の女性。皮疹および瘙痒感を認め,通脈四逆湯を投与し白河附子を14gまで漸増したが改善しなかった。そこで冷えが極めて強いために,通脈四逆湯の白河附子を烏頭に変更したところ,皮疹および瘙痒感が改善した。2例目は42歳の男性。泥状便および全身倦怠感を認め,通脈四逆湯を投与し炮附子を10gまで漸増したが改善しなかった。そこで冷えが極めて強いために,通脈四逆湯の炮附子を烏頭に変更したところ,普通便となり全身倦怠感が改善した。附子を用いた通脈四逆湯では改善しない寒の強い病態においては,附子を烏頭に変更すると有効な場合がある。

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© 2010 一般社団法人 日本東洋医学会
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