日本東洋医学雑誌
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未成年患者における漢方薬の服用調査
角野 めぐみ大野 賢二金子 明代久永 明人喜多 敏明
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2010 年 61 巻 7 号 p. 930-937

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抄録

漢方薬の服用方法や,服用を困難にしている原因を探り,服薬指導に活かすため,未成年患者における漢方薬の服用状況についてアンケート調査を実施した。
対象患者46例の平均年齢は9.7 &qlusmn; 5.3歳(2歳~19歳)で,男性の割合が高かった(65%)。エキス製剤(40例)または煎剤(6例)を服用しており,服用回数は1日2回が38例(83%)と最も多かった。また,服薬に際し,5歳以下の69%の患者で直接介助が必要であったが,6歳以上では飲む段階まで用意すれば本人が服用でき,13歳以上では77%の患者で自発的な服用が可能であった。
また,患者の年齢に関係なく,介助者や家族は服薬理由を具体的に話していることから,患者本人をも含めた服薬指導はアドヒアランスの向上につながることが期待される。さらに,薬剤師は必要に応じて漢方薬やその構成生薬と味について情報提供することもアドヒアランスの向上に役立つと考えられた。

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© 2010 一般社団法人 日本東洋医学会
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