Medical Mycology Journal
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原  著
フケ症に対するミコナゾール硝酸塩配合リンスの有用性の検討
-基剤を対照とした二重盲検比較試験-
清 佳浩小林 めぐみ早出 恵里
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2011 年 52 巻 3 号 p. 229-237

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抄録

フケ症を対象に,ミコナゾール硝酸塩配合シャンプー(COF)にミコナゾール硝酸塩配合リンス(COFRM)を併用した際のCOFRMの有用性について,リンス基剤(COFR)併用群を対照とした二重盲検比較試験により検討した.その結果,両群間で有効性に差はみられなかったが,いずれの群でも約80%の症例で改善効果が認められた.また,瘙痒については,試験開始2週後で統計学的有意差は認められなかったが,COFR併用群に比べCOFRM併用群の方が高い改善率を示した.また洗髪頻度によって効果に違いがみられたCOFR併用群に対し,COFRM併用群は洗髪頻度に依らず効果がほぼ同等であったことが示された.この事からシャンプーのみならずリンスにもミコナゾール硝酸塩を配合することにより,洗髪間隔に係わらず有効濃度が維持され,その結果Malassezia属真菌の増殖を妨げ,より確実かつ早期に効果が現れるものと考えた.
 以上のことから,COFRMはCOFと併用することで,短期間で効果を実感でき,その結果患者のコンプライアンス向上に寄与する有用なリンス剤であると考えられた.

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© 2011 日本医真菌学会
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