西日本皮膚科
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研究
ELISA法による天疱瘡抗体検出の臨床的有用性の検討
岸部 麻里芝木 光中根 宏山本 明美飯塚 一
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2002 年 64 巻 4 号 p. 464-468

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抄録

古典的天疱瘡は角化細胞接着分子であるデスモグレインに対する自己免疫性疾患である。抗デスモグレイン抗体によって,角化細胞間接着が障害され皮膚および粘膜に棘融解性水疱が形成される。最近,組換え天疱瘡抗原を用いたELISA法の開発により,鋭敏かつ特異的に抗デスモグレイン抗体を検出することが可能となった。われわれの施設においてELISA法の有用性について検討したところ,感度,特異度が高く,天疱瘡の診断に有効な検査法であることが確認された。ELISA法による抗体価は病勢と相関を示し,治療方針の決定など臨床的な有用性が高いと考えた。しかし市販のデスモグレインELISAキットをそのまま用いるとindex値が120以上の場合正しい値が得られず,適正希釈法を組み合わせる必要があることがわかった。

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© 2002 日本皮膚科学会西部支部
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