西日本皮膚科
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研究
局所温熱灌流療法施行後の悪性黒色腫の再発例と非再発例の検討
柴田 智子村上 義之師井 洋一永江 祥之介占部 和敬古賀 哲也古江 増隆中山 樹一郎
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2005 年 67 巻 2 号 p. 147-151

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抄録

1993年から1998年の間に当科では,四肢原発の悪性黒色腫21例(のべ25例)に対し,患肢の局所温熱灌流療法(HILP)を行った。19症例についてはリンパ節郭清を含む拡大切除術施行時にadjuvant療法としてHILPを施行,また免疫化学療法も併用した。症例1,12については拡大切除後に認めたin-transit metastasisに対して,HILPを施行した。現在まで,HILP施行後に再発,転移を来したのは7症例であり,そのすべてがHILPの施行時もしくはそれ以前に既に所属リンパ節に転移を認めたstage IIIの症例であった。この7例中,HILP施行時にin-transit metastasisを認めたのは6例であった。本邦における悪性黒色腫の統計と比較して,5年生存率では若干,高い傾向がみられ,また局所の腫瘍抑制効果を認めた。また予後に関与すると考えられる免疫学的パラメーターについて再発例と非再発例を比較したところ,再発例ではNK細胞活性が灌流中,灌流後に低値を示す傾向を認めた。

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© 2005 日本皮膚科学会西部支部
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