西日本皮膚科
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症例
ノカルジアによる多発性筋肉内膿瘍の1例
加賀谷 真起子高橋 博之中野 秀昭大楠 清文
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2008 年 70 巻 3 号 p. 286-291

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抄録

71歳,男性。インスリンにてコントロール不良状態の糖尿病に加え,間質性肺炎でプレドニゾロンを内服していた。特別な誘因や外傷なく両下腿に相次いで多発性の筋肉内膿瘍が出現し,各種検査の結果Nocardia farcinicaによる膿瘍であることが判明した。抗生剤の投与に加え切開排膿処置を併用し,現在まで再発はみられていない。膿瘍出現の約2ヵ月前に肺陰影の増強があり,肺ノカルジア症が先行病変として疑われた。今回,ノカルジア筋肉内膿瘍という稀な病変を経験したので,他報告例も含め考察した。

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© 2008 日本皮膚科学会西部支部
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