2010 年 72 巻 4 号 p. 336-339
53歳,女性。初診2年前より骨髄線維症にて経過観察中であった。約1年が経過した頃よりレイノー症状,両手指のこわばりが出現するようになっていたが放置していた。その後皮膚硬化が進行し当科を受診した。全身性強皮症と診断し,ステロイド内服開始し皮膚硬化は徐々に軟化軽快傾向を示した。全身性強皮症と骨髄線維症の合併例の報告は自験例を含め国内外で5例と稀であり,そのうち骨髄線維症発症後に全身性強皮症を続発した例は本症のみであったため,ここに若干の考察を加えて報告する。