2011 年 73 巻 5 号 p. 523-526
島根県立中央病院にて主に褥瘡がある患者をほぼ毎週水曜日に回診して得られた実態を報告する。褥瘡回診にて診察した患者の平均年齢は76.2歳で,男女比3:2,1ヵ月あたり平均53名で新規患者は平均20名であった。その予後は治癒42%(平均診察日数15.6日),死亡19%(同26.1日),転院20%(同33.7日),退院19%(同16.3日)であった。死亡例が多いのは救命救急科にての褥瘡発生報告が多いのが要因の一つと考えられた。回診を通した褥瘡の処置,指導,褥瘡患者のデータの集計により褥瘡対策への認識が高まり,褥瘡管理加算は約4倍の算定数となった。