2009 年 58 巻 4 号 p. 604-608
Locking機構をもつplate及び髄内釘が近年開発されたことにより,上腕骨近位端骨折に対する治療成績は向上し,ともに良好な治療成績が諸家より報告されている.当院では2003年1月~2006年3月まで上腕骨近位端骨折に対し手術を施行した全11症例に対し,locking機構をもつ髄内釘を骨折型に関係なく使用し,2006年4月~2008年3月までの期間手術を施行した全10症例に対し,locking plateを使用し治療を行っていた.髄内釘及びlocking plateによる治療成績をX線写真にて骨癒合,内反転位,screwのcutout,backoutの有無について,臨床症状では,疼痛の有無と可動域について後ろ向きに比較検討したところ,cutout率に有意差を認めたが,臨床症状に差を認めず治療成績はほぼ同等に良好と考えられた.