整形外科と災害外科
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小児孤立性骨嚢腫active phaseにおける骨穿孔術の治療成績
鶴 亜里紗河村 一郎横内 雅博永野 聡松山 金寛中島 隆之有島 善也善明 美千久小宮 節郎
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キーワード: 骨嚢腫, 骨穿孔術, 治療方法
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2010 年 59 巻 2 号 p. 259-262

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抄録

小児孤立性骨嚢腫(Simple Bone Cyst:以下SBC)のactive phaseに,骨穿孔術を施行した症例の治療成績を検討した.2001年1月以降に当院で加療したSBC患者35例のうち,小児SBCのactive phaseで骨穿孔術を施行した7例(男5例,女2例,平均年齢9歳4ケ月)を対象とした.観察期間は平均67.6ケ月,発生部位は,上腕骨近位4例,大腿骨近位3例であった.7例中3例に初回手術後の再発を認め再発率は43%であった.再発を認めた3例には全例に再度骨穿孔術を施行し,最終観察時には7例中6例(85.7%)が良好な結果であった.骨穿孔術は低侵襲であり,特にactive phaseに対しては骨端線損傷の危険性を回避できる有効な治療法であると考えられる.しかし自験例においても再発率が43%と高率であり,低侵襲でかつより再発率が低い方法の開発が望まれる.

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© 2010 西日本整形・災害外科学会
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