整形外科と災害外科
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当院で手術した大腿骨近位部骨折例の入院日数と転帰について
―術式や連携パスとの関連を含めて―
野口 康男力丸 俊一佛坂 俊輔前 隆男佐々木 宏介井口 貴裕白木 誠永野 賢泉 政寛久保 裕介
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2011 年 60 巻 3 号 p. 495-501

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抄録

地域連携パス運用により得られるようになった入院日数や退院先等の情報の分析を行った.平成19年4月から3年間に当院を退院し転帰が判明した341例について当院および転院先の入院日数,総入院日数を術式,退院先,連携パス使用有無別に検討した.また,受傷時の居住地(自宅,介護施設など)別に転帰を検討した.その結果,当院の入院日数は平均28.4日で,施設への直接退院が短く,転院がそれに次ぎ,自宅直接退院が長かった.術式別では骨接合早期荷重群が短かった.連携パス使用ありは平均25.7日で,使用なし30.6日より有意に短かった.転院例の転院先入院日数は平均79.9日,転院例の総入院日数は平均106.4日であった.転院先入院期間もパス使用群が有意に短かった.受傷時に自宅居住の243例中,転院の有無にかかわらず自宅へ退院した例は192例で在宅復帰率は79.0%であった.連携パス使用例は急性期および回復期の入院期間が短いが,在宅復帰率には影響していなかった.

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© 2011 西日本整形・災害外科学会
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