2006 年 103 巻 3 号 p. 301-309
症例は69歳.女性.上部消化管内視鏡検査にて,上十二指腸角付近に多数の白斑が認められ,さらに下行脚にも発赤調の陥凹をともなう白斑の集簇が散在していた.生検では濾胞性リンパ腫との診断であった.抗CD20抗体(Rituximab)とCHOP療法とを併用した化学療法を計6コース施行後,十二指腸の病変は著明に改善しており生検でも悪性所見はみられなかった.消化管濾胞性リンパ腫の治療の1つとして,RituximabとCHOP療法を併用した化学療法は有効であることが示唆された.