2007 年 104 巻 11 号 p. 1614-1624
超細径上部消化管内視鏡を使用して直接的経口胆管鏡検査(PDCS)を施行した.症例は結石や腫瘍で総胆管に狭窄·閉塞を有する10症例でPDCSの有用性と問題点を評価した.内視鏡が肝門部胆管へ先進するための左回転によるUループは9例で可能であった.Uループが形成されずαループであった1例においても総胆管全体の観察が可能であった.大きな生検鉗子が使用出来るため十分な組織採取が可能であった.また,EHLによる砕石術と切石術は直接鮮明な画像で観察出来るため安全で容易であった.挿入時のpneumobiliaは全例に生じた.PDCSに関連した腹痛,発熱はなかったが一過性の白血球増加を認めた.