日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
NASHおよび脂肪肝を背景に26年の経過で肝硬変から肝細胞癌を発症した2例
堤 康一郎中山 晴夫境 吉孝小島 康弘大楽 尚弘小島 敏明草野 昌男池谷 伸一須貝 吉樹樋渡 信夫
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2007 年 104 巻 5 号 p. 690-697

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抄録

症例1は68歳女性,症例2は46歳男性.ともにHCCの精査加療目的に当科入院となった.肝硬変の原因は血液検査などからは不明であった.しかしおのおの26年前に肝生検施行歴あり,それらの見直しによりNASH(症例1)および脂肪肝(症例2)からNASH関連肝硬変(いわゆるburned-out NASH)へ進行し,HCCを発症したことが示唆された.原因不明肝硬変にburned-out NASHが含まれていること,また脂肪肝およびNASHの長期経過を知る上でも示唆に富む症例と考えられ報告する.

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© 2007 (一財) 日本消化器病学会
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