2008 年 105 巻 2 号 p. 191-198
わが国のC型慢性肝炎患者は高齢化が進んでおり,65歳以上のいわゆる高齢者の割合が増加している.これらの症例では肝病変が進行している症例が多く,早急に積極的な治療介入が必要である.インターフェロン·リバビリン併用療法は現在最も強力な抗ウイルス療法であるが,高齢者では副作用が強く出現する傾向があり,併用療法の治療効果を阻害している.高齢者C型慢性肝炎ではこれらの副作用を軽減させ,治療効果を向上させるため全身クリアランスベースのリバビリン投与が望ましい.また高齢者とくに女性例ではHCV減衰が遅延する傾向があり,高齢者の特殊性を加味した治療期間の設定が必要である.