2008 年 105 巻 6 号 p. 808-816
非代償性肝硬変患者において分岐鎖アミノ酸(BCAA)長期投与がイベント発生率(肝癌発生·静脈瘤破裂·肝不全の進行)を有意に低下させることは本邦からの大規模臨床試験で証明されている.今回われわれは肝癌根治治療後症例に対するBCAA長期投与の臨床的意義を検討し,特に初回治療前Alb 3.5g/dl以下の症例ではBCAA長期投与により有意に累積生存率が向上し3回目再発率が低下した結果を得た.今後はBTRやインスリン抵抗性(HOMA-IR)などさまざまな項目を検討し長期BCAA補充療法の適応症例について検討が必要である.