2009 年 106 巻 10 号 p. 1524-1530
症例は20歳女性.上腹部痛を主訴に入院した.腹部造影CT検査で左上腹部に15 cm大の腫瘤と腹膜播種を認めた.小腸造影では空腸と腫瘍内部に穿通を認めた.開腹術を施行したが腫瘍は空腸間膜から結腸,後腹膜へ浸潤していたため播種巣のみ摘出した.病理組織検査にて,Ewing's sarcoma/peripheral primitive neuroectodermal tumorと診断した.急速な経過をたどり,診断後約40日で多臓器不全を呈し死亡した1例を経験したので報告する.