日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
十二指腸球部に脱出し同部の潰瘍形成をきたした胃脂肪腫の1例
山根 建樹内山 幹古谷 徹石井 隆幸小村 伸朗中野 雅貴深町 信介諏訪 達志大草 敏史
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2009 年 106 巻 11 号 p. 1643-1649

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抄録

十二指腸球部に脱出し,腫瘤の先進部の擦過によると考えられる球部潰瘍形成がみられた胃脂肪腫症例を経験した.同潰瘍はproton pump inhibitor投与後瘢痕化したが,腫瘤の脱出による心窩部不快感が持続したため,鏡視下での腫瘤摘出術が施行された.胃の脂肪腫が十二指腸に脱出することはまれであり,さらに擦過により十二指腸潰瘍が発生することは極めてまれである.興味深い症例と考えられたため報告する.

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© 2009 (一財) 日本消化器病学会
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