胆管癌に対する化学療法は,通常,胆道癌の一部として胆嚢癌や乳頭部癌と同様の方法で行われ,わが国ではgemcitabineとS-1が広く用いられている.最近,gemcitabine単独治療とgemcitabine+cisplatin併用療法(GC療法)によるランダム化比較試験が行われ,GC療法が胆道癌に対する標準治療と位置づけられている.さらにbevacizumabやcetuximabなどの分子標的薬を用いて上乗せ効果を狙った試みも行われている.一方,gemcitabine+S-1併用療法でも良好な成績が報告されつつあり,ランダム化比較試験による検証が進められている.胆道癌の術後補助療法については現在まで標準的治療法は確立していない.わが国ではgemcitabineあるいはS-1を中心にいくつかの臨床試験が行われており,今後標準術後補助療法の確立が期待される.