日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
PIVKA-II高値を示し,悪性腫瘍との鑑別が困難だった原発性肝放線菌症の1例
森田 剛文坂口 孝宣柴崎 泰大石 康介鈴木 淳司福本 和彦稲葉 圭介馬場 聡竹原 康雄鈴木 昌八岡井 高今野 弘之
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キーワード: 肝放線菌症, PIVKA-II, 肝腫瘍
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2011 年 108 巻 10 号 p. 1735-1742

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抄録

68歳男性,発熱・体重減少を主訴に来院.高度の炎症反応をともない,腹部CTにて液体成分と充実成分からなる腫瘤を認め,肝膿瘍を疑った.経皮的膿瘍ドレナージにて全身状態は改善したが充実成分は縮小せず,PIVKA-IIも高値であることから肝切除を施行した.病理組織診断にて肝放線菌症と診断した.原発性肝放線菌症は比較的まれな疾患であるが,肝腫瘤性疾患の鑑別診断において考慮すべき疾患の1つと考えられた.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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