日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
Transcatheter arterial embolizationが腹腔内出血の止血に有効であった脾原発血管肉腫の1例
高松 徹東海 浩一池田 正俊牛丸 信也浅野 岳晴松本 吏弘岩城 孝明福西 昌徳鷺原 規喜宮谷 博幸吉田 行雄山田 茂樹
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2011 年 108 巻 4 号 p. 658-664

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抄録

60歳女性.突然ショック状態となり,造影CTにて脾臓および転移性肝腫瘍からの腹腔内出血と診断した.同部位に対するTAEにて血行動態は安定したが,第13病日死亡した.剖検にて腹膜播種,肝・肺・リンパ節転移をともなう脾原発血管肉腫と診断した.本疾患は原発臓器のみならず転移巣からも出血をともなうことがあり,TAEが出血性ショックに対する一時止血に有用であったと考えられ,本邦報告42例の検討とともに報告する.

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© 2011 (一財) 日本消化器病学会
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