日大医学雑誌
Online ISSN : 1884-0779
Print ISSN : 0029-0424
ISSN-L : 0029-0424
症例報告
重症慢性虚血性心疾患患者に対し逆行性冠静脈経由による骨髄単核球移植治療が有用であった一例
渡辺 康夫高山 忠輝廣 高史横山 真一郎國本 聡塩野 元美加藤 実小林 寿美子和田 美夏麦島 秀雄齋藤 穎平山 篤志
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 69 巻 3 号 p. 203-208

詳細
抄録

陳旧性心筋梗塞を有し冠動脈バイパス術の既往を有する通常治療抵抗性の虚血性心筋症患者に対して,自己骨髄単核球を冠静脈内に逆行性オクルージョンバルーンカテーテルを用いて移植した.その 4 週間後・ 6 ヶ月後・36 ヶ月後に負荷心筋シンチグラムならびに左室造影にて,心筋血流・心機能の評価を行い,細胞移植療法の短期・長期の治療効果を観察しえた.その結果,36 ヶ月にわたっての狭心症状ならびに心筋血流の持続的改善と,駆出率の一過性の改善を認めた.

著者関連情報
© 2010 日本大学医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top