2006 年 21 巻 3 号 p. 209-213
本研究の目的は,上肢運動による運動耐容能評価の意義を明らかにすることである。健常男性10名を対象に,簡易エルゴメーターを用いて,上肢運動と下肢運動のAnaerobic Threshold(AT)を中心に分析した。主な結果は,上肢運動耐容能は下肢運動耐容能と有意な相関関係を認めた(AT; r=0.77,VE/VCO2 slope; r=0.96,p<0.05)。上肢運動は下肢運動と比較して,浅速呼吸になることが特徴的であった。上肢運動による運動耐容能評価の意義として,上肢運動は全身性の運動耐容能と深く関係していることや,下肢障害患者の上肢運動による運動耐容能評価の有用性が示唆された。