理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
重度糖尿病患者のウォーキング行動に関連する心理的要因および環境的要因
水本 淳岡 浩一朗森川 亘原 元彦小片 展之江藤 一弘
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2011 年 26 巻 5 号 p. 599-605

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抄録

〔目的〕重度糖尿病教育入院患者における入院前のウォーキング行動に関連した心理的要因および環境的要因を調査した.〔方法〕患者22人(年齢55.3歳)を対象とし,入院時に質問紙調査を実施した.項目は,ウォーキング行動のセルフ・エフィカシー(以下,歩行SE),糖尿病関連領域質問表(PAID),うつ・不安尺度(HADS),ウォーキング行動評価尺度,国際標準化身体活動質問紙環境尺度(IPAQ-E)とした.〔結果〕歩行時間は歩行SEと正の相関を認め,うつ得点と負の相関を認めた.また,歩行時間の下位尺度である「運動のために歩く時間」は環境尺度の「公園,体育館,施設などがある」項目と正の相関を認めた.〔結語〕歩行時間を増加するには歩行SEを高め,うつ状態を軽減させるアプローチが有用である可能性が考えられた.

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© 2011 by the Society of Physical Therapy Science
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